公園や川辺の草むらで、ひょっこり顔を出すバッタたち。手掴みでも捕まえやすく、子どもたちに大人気の昆虫ですよね。
「パパ、見て!捕まえたよ!」と、キラキラした目で虫かごいっぱいにバッタを詰め込んで帰ってくる我が子。
その姿は微笑ましいけれど、内心「えっ、餌は何をあげるの?」「家にある野菜で大丈夫?」と焦ってしまうお父さん・お母さんも多いはず。
実は、バッタの飼育はコツさえ掴めばとっても簡単!身近な草や、冷蔵庫にある「あの野菜」が大好物だったりするんです。
この記事では、バッタが喜ぶ餌の種類から、網を使わずにペットボトルで捕まえる裏ワザ、オスの習性を利用した「バッタ釣り」まで、私の実体験を交えて詳しくご紹介します。
バッタの飼育を通して、お子さんと一緒に自然の不思議にワクワクしてみませんか?
執筆:ちゃむ隊長(運営管理)
さいたま市を拠点に活動する現役タクシードライバー。情報ジャングル探検隊「さばいぶ」を運営しています。8年間の少年サッカー指導(JSPO公認コーチングリーダー)で培った「分かりやすく伝える力」と、日々の乗務で得た「現場の生きた知恵」を、探検家のような視点で発信中です。
バッタの餌は何?種類によって好む草が違う!
「バッタを捕まえたけれど、何を食べるかわからない…」そんな時は、バッタの「頭の形」と「体の厚み」をチェックしてみましょう。
実は、バッタは種類によって「イネ科の細長い草」が好きなグループと、「広葉樹の丸い葉や野菜」が好きなグループに分かれるんです。
見た目が似ていても食性が違うので注意が必要です。
まずは、道端や公園ですぐに見つかる「バッタが喜ぶ草」を一覧表にまとめました。
トノサマバッタやショウリョウバッタは「イネ科の草」
トノサマバッタのように「これぞバッタ!」という力強い体つきの種類や、ショウリョウバッタのように顔がぐんと尖っている種類は、基本的に「イネ科の植物」(葉脈が縦にまっすぐ通っている草)を主食にします。
一番のおすすめは、どこにでも生えているエノコログサ(通称:ネコジャラシ)!
ネコジャラシならお子さんでも簡単に見つけられますよね。
根っこから抜かずに、葉っぱの部分を数本摘んで虫かごに入れてあげましょう。
・主な種類: トノサマバッタ、ショウリョウバッタ、クルマバッタ、イナゴなど
・おすすめの餌: エノコログサ(ネコジャラシ)、ススキ、メヒシバ、オヒシバ
オンブバッタは「ヨモギやシソ」などの葉が大好き
オンブバッタは一見、ショウリョウバッタを小さくしたような「とんがり頭」をしていますが、ショウリョウバッタに比べて、「体が左右に平べったい(平たい)」のが最大の特徴です。
小さくて可愛らしいオンブバッタは、他のバッタとは少し好みが違います。イネ科の草よりも、ヨモギやオオバコといった、少し幅の広い葉っぱを好んで食べます。
もしお庭にシソやシュンギクを植えているなら、その葉っぱも大好物です(食べられすぎないように注意が必要なほど!)。
「バッタによってレストランが違うんだね!」とお子さんに話してあげると、観察がもっと楽しくなりますよ。

せっかく摘んできた草も、虫かごに入れるとすぐにしおれてしまいます。
私がよくやるのは、プリンの空きカップや小さなヤクルトの容器に水を入れて、そこに草を挿しておく方法です。
切り口に湿らせたコットンやキッチンペーパーを巻き付けてから容器に入れると、倒れても水がこぼれにくく、草もシャキッと長持ちしますよ!
バッタが喜ぶ「身近な草」の種類一覧表
| 種類 | 主な食べ物(好きな草) | 見つけやすい場所 |
| トノサマバッタ | イネ科(エノコログサ、ススキなど) | 公園の芝生、河川敷、空き地 |
| ショウリョウバッタ | イネ科(エノコログサ、ススキなど) | 公園の芝生、河川敷、空き地 |
| クルマバッタ | イネ科(エノコログサ、ススキなど) | 公園の芝生、河川敷、空き地 |
| オンブバッタ | 広葉樹、野菜の葉(ヨモギ、シソなど) | 庭の植え込み、畑の周辺 |
| クツワムシ | クズ、シソ、キク科の植物など | 林の縁、藪(やぶ)、畑の周辺 |
バッタは野菜や果物も食べる?代用できる食べ物リスト
「子どもがバッタを連れて帰ってきたけれど、今すぐあげる草がない!」「近所にネコジャラシが見当たらない!」という時でも大丈夫。
実はバッタは、私たちの身近にある野菜や果物も大好物なんです。
きゅうり・レタス・キャベツなど「葉物野菜」の与え方

冷蔵庫にある野菜は、バッタにとって最高の「レスキュー食材」になります。特に水分をたっぷり含んだ以下の野菜がおすすめです。
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きゅうり:
水分補給も同時にできる万能選手です。 -
レタス・キャベツ:
柔らかい葉の部分を好んで食べます。 -
にんじん・小松菜:
意外かもしれませんが、これらもよく齧ります。

きゅうりを与えるときは、皮をピーラーで数カ所剥いてあげるのがコツ!
バッタの小さな口でも、柔らかい中身の部分からなら食べやすくなります。
また、キャベツやレタスは、私たちが捨ててしまう「一番外側の硬い葉」で十分。バッタにとっては立派なご馳走になりますよ。
りんご・バナナなどの「果物」も水分補給に効果的
バッタは甘い香りのする果物も食べます。特に夏場の暑い時期、バッタが元気に活動するためには水分と糖分が欠かせません。
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りんご:
薄くスライスして置いておくと、一生懸命齧る姿が見られます。 -
バナナ:
栄養価が高く、弱っているバッタの栄養補給にも向いています。
ただし、果物は野菜よりも腐りやすいのが難点。食べ残しは早めに取り除いて、ケース内を清潔に保つのが長生きの秘訣です。
野菜を与えるときの注意点と新鮮さを保つコツ
野菜や果物を与えるときに、これだけは守ってほしい「3つのルール」があります。
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農薬に注意:
スーパーの野菜は、表面をよく洗ってからあげましょう。特に皮の部分は念入りに。 -
常温に戻す:
冷蔵庫から出したてのキンキンに冷えた野菜は、小さなバッタを驚かせてしまいます。
少し置いて常温にしてからあげてくださいね。 -
しんなりした頃が食べ頃:
意外なことに、バッタはシャキシャキの新鮮すぎる葉っぱよりも、少し時間が経って柔らかくなった葉っぱを好むことが多いです。
バッタを上手に捕まえるコツと準備するもの
バッタ捕りは、実は大人も夢中になるほど奥が深い遊びです。ただ追いかけるだけでは、自慢の跳躍力で逃げられてしまうことも。
「正しい道具」と「バッタの習性を突いた動き」が成功の近道ですよ。
網で捕まえる時の必勝テクニック「カマキリ作戦」

大きなトノサマバッタやショウリョウバッタを捕まえるなら、やはり虫取り網が一番です。
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道具の選び方:
網の直径が50cmくらいある大きめのものを選ぶと、キャッチ率がぐんと上がります。 -
カマキリのように忍び寄る:
バッタを見つけたら、まずは静かに、ゆっくりと近づきます。バッタに「敵だ!」と気づかれないよう、カマキリのように慎重に射程圏内まで詰めましょう。 -
着地した瞬間が最大のチャンス:
もし逃げられてしまっても諦めないで!バッタが飛び上がり、着地した直後の2〜3秒間は、バッタもスタミナ切れで動きが鈍っています。そこを一気に網で覆いかぶせるのがコツです。
赤ちゃんバッタを傷つけない「バッタゲッター」

まだ羽が生え揃っていない小さなバッタ(幼虫)は、網で叩いたり素手で強く握ったりすると、すぐに弱ってしまいます。
そこで便利なのが、ペットボトルで作る「バッタゲッター」です。
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作り方:
500mlのペットボトルを上から1/4ほどでカットし、飲み口を逆さにして本体に差し込み、テープで固定します(カメムシ捕獲器と同じ形です)。 -
使い方:
赤ちゃんバッタを見つけたら、手で優しく誘導するか、バッタの目の前にこのボトルの入り口を差し出します。 -
メリット:
無理に手で掴む必要がないので、初めてバッタに触る小さなお子さんでも、バッタを傷つけずに安全に捕まえられますよ。
別の記事 >カメムシ対策!臭いを出させない駆除術と侵入を許さない鉄壁の隙間対策 の中で紹介している「ペットボトルのカメムシ捕獲器の作り方」と同じですね。

オスの習性を利用した伝統の「バッタ釣り」

網がなくても楽しめる、昔ながらの面白い捕まえ方があります。それが、メスを探しているオスの習性を逆手に取った「バッタ釣り」です。
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やり方:
1mくらいの細い棒の先に糸をつけ、その先に「黒っぽい小枝」や「消しゴムの破片」を結びます。糸の長さは棒(竿)の長さと同じくらい。 -
コツ:
バッタのオスの目の前で、このルアーをチョンチョンと動かしてみてください。 -
なぜ釣れる?:
オスは動く黒い物体を「メスだ!」と勘違いして、勢いよく飛び乗ってきます。そのまま慎重に引き上げれば、網を使わずにゲットできるんです。
親子で「どっちが先に釣れるか」競ってみるのも楽しいですよ!
バッタ釣りの「ルアー」を完璧にするコツ
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マジックで真っ黒に:
白い消しゴムしか手元にない場合は、油性マジックでムラなく真っ黒に塗りつぶしてください。 -
大きさも大事:
長さ5〜7㎝くらい~幅1.5~2㎜くらいの「メスの背中っぽいサイズ」にカットするのがベストです。 -
「黒い糸」を使う:
欲を言えば、吊るす糸も白より黒い糸(裁縫用など)を使うと、糸の存在が目立たず、ルアーだけが動いているように見えて成功率がグンと上がります!
バッタが弱らない正しい持ち方と注意点

せっかく捕まえたバッタ、持ち方を間違えると脚が取れてしまうことがあります。
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「後ろ脚」は絶対に持たない:
バッタの強力な後ろ脚は、敵に襲われた時に自ら切り離す(自切)仕組みになっています。脚を持つと、暴れた拍子にポロッと取れてしまうので、絶対に避けましょう。 -
「胸部(背中)」を優しくつまむ:
頭のすぐ後ろにある、少し硬い「胸」の部分を親指と人差し指でそっと挟むのが正解です。
バッタを元気に育てる飼育環境と「3つの鉄則」
バッタがのびのびと過ごせる「理想のマイホーム」を作ってあげましょう。特別な道具は必要ありません。家にあるものや、100円ショップで揃うもので十分です!
バッタが喜ぶ「飼育ケース」の基本レイアウト

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ケースの大きさ:
バッタはジャンプ力が凄まじいので、なるべく高さのあるプラケースを選んであげましょう。大きなトノサマバッタなら30cm以上のサイズがあると、壁に激突して怪我をするのを防げます。 -
底に敷くもの(床材):
目的に合わせて2パターンから選びましょう。
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掃除を楽にしたいなら:
新聞紙やキッチンペーパーがおすすめ。フンが溜まったらパッと替えるだけでOKです。 -
産卵(卵を産ませたい)なら:
5cm〜10cmほどの深さで園芸用の土(農薬のないもの)を敷いてあげましょう。バッタは土にお腹を深く差し込んで卵を産むので、ある程度の「深さ」と「湿り気」がポイントです。
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餌(草・野菜)の置き方:
- 草(イネ科など): プリンカップなどに水を入れて挿し、「立てて」置きましょう。バッタは高いところに登る習性があるので、立ててある草は格好の足場にもなります。
- 野菜や果物: 直接置くとカビの原因になるので、ペットボトルのキャップや小さな皿に乗せてあげると清潔です。
1. 水分補給は「霧吹き」が基本(溺れさせない工夫)
バッタは直接ゴクゴクと水を飲むことは少ないですが、水分が足りないとすぐに弱ってしまいます。
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やり方:
1日1回、飼育ケースの壁面や、餌の草にシュッと軽く霧吹きをしてあげましょう。 -
注意点:
飲み水用に「水を入れた皿」を置くのはNG!バッタは不器用なので、小さなお皿でも足を取られて溺れてしまう事故がよく起こります。
自然界の「夜露」を再現するイメージで、霧吹きを使うのが一番安全です。
2. 脱皮の失敗を防ぐ!ケース内の「足場」の重要性

バッタは成長するために何度も脱皮を繰り返します。この「脱皮」の瞬間が、飼育で最も命を落としやすい危険な時間です。
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逆さまになれる場所を作る:
バッタは古い殻を脱ぐとき、逆さまにぶら下がる必要があります。ケースの蓋が網状なのはもちろん、「止まり木」となる枝や、少し背の高い草を必ず入れてあげてください。 -
乾燥は禁物:
脱皮中に体が乾きすぎると、古い殻が脱げずに固まってしまう「脱皮不全」が起こります。
脱皮の兆候(餌を食べずにじっとしている等)が見えたら、霧吹きの回数を少し増やして湿度を保ってあげましょう。
3. 要注意!キリギリスとの「同居」は避けるべき理由

「バッタに似ているから」と、同じケースにキリギリスを入れてしまうのは非常に危険です。
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キリギリスは肉食系:
見た目は似ていても、キリギリスは昆虫を食べることもある「肉食寄りの雑食性」です。
狭いケースの中で一緒にしてしまうと、翌朝にはバッタが襲われてしまう…という悲しい事件が起こりかねません。 -
見分け方のポイント:
触覚が自分の体よりも長ければ「キリギリスの仲間」、短ければ「バッタの仲間」です。
捕まえたら、まずは触覚の長さをチェックして、種類ごとにケースを分けてあげましょう。
よくある悩み:バッタが餌を食べない・共食い・寿命は?
バッタを飼い始めると、意外なトラブルや疑問に直面することがあります。よくあるお悩みを「解決のヒント」と一緒にまとめました。
Q:バッタが餌を全然食べないんだけど、大丈夫?
A:脱皮の前か、餌の種類が合っていない可能性があります。
バッタは脱皮の1〜2日前になると、準備のためにパタリと餌を食べなくなります。もしバッタがじっとしているなら、脱皮のサインかもしれません。そっと見守りましょう。
また、種類によって好みが違うので、イネ科の草(ネコジャラシなど)をあげてダメなら、ヨモギや野菜を試してみるなど「メニュー変更」をしてみてください。
Q:ケースの中で「共食い」をさせないためには?
A:十分な広さと、たっぷりの餌を絶やさないことが重要です。
バッタが共食いをしてしまう主な原因は「空腹」と「過密」です。
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小さなケースに詰め込みすぎない(理想は数匹程度)。
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常に新鮮な餌(草や野菜)がたっぷりある状態にする。
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脱皮直後の柔らかい個体は襲われやすいため、もし脱皮しそうなバッタがいれば一時的に別のケースに移してあげると安心です。
Q:バッタはどれくらい生きるの?冬越しはできる?
A:成虫の寿命は3〜5ヶ月ほどで、基本的には越冬しません。
夏に成虫になったバッタは、秋に卵を産むと10月〜11月頃にはその一生を終えます。飼育下で暖かくしていれば12月頃まで生きることもありますが、基本的には「卵で冬を越し、春に孵化する」サイクルです。
「ずっと一緒にいたい」というお子さんには、バッタが卵を産んだら、その卵を大切に育てて、来年の春に赤ちゃんバッタと再会する楽しみを伝えてあげてくださいね。
まとめ:バッタの飼育を通して自然の不思議を楽しもう
公園や川辺でバッタを追いかける時間は、子どもたちにとって、そしてかつて子どもだった私たちにとっても、かけがえのない冒険です。
もし子どもが「飼ってみたい!」とバッタを連れて帰ってきたら、それは自然の不思議に触れる最高のチャンス。
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種類に合わせた「草」や、冷蔵庫の「野菜」を準備する。
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脱皮のための「足場」を作り、乾燥させないよう「霧吹き」をする。
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「バッタ釣り」などの遊びを通して、その習性を肌で感じる。
ほんの少しのコツを知っているだけで、バッタは元気に育ち、一生懸命に生きる姿を見せてくれます。
脱皮して一回り大きくなった姿や、一生懸命にきゅうりを齧る様子を観察する中で、きっとお子さんの目には、普段何気なく通り過ぎている草むらが「命あふれるジャングル」に見えてくるはずです。
さあ、まずは身近な草むらへ、新しい発見を探しに出かけてみませんか?「情報ジャングル探検隊」は、皆さんの身近な冒険をいつでも応援しています!



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