芋掘りのさつまいもは干すと甘くなる!保存期間と干す日数の目安は?

芋掘りのさつまいもは干すと甘くなる

秋の楽しみといえば芋掘り。

土の中からゴロッと大きなさつまいもが出てくると、子どもも大人もテンション上がりますよね。

ところが、掘ったばかりのさつまいもをすぐに食べると「あれ、思ったより甘くない…?」なんてことも。

実は、さつまいもは掘った後に“干す期間”をおくことで、グッと甘さが増す野菜なんです。

では「どのくらい干せば甘くなるの?」「保存はどれくらい持つの?」と気になるところ。

この記事では、芋掘り後のさつまいもを美味しく食べるための干し方・保存方法・甘くなる理由を、分かりやすく解説します。

これを読めば、「今年のさつまいもは大成功!」と胸を張って食卓に並べられること間違いなしですよ。

 

芋掘り後のさつまいもは干すと甘くなる?

芋掘り後のさつまいもは干すと甘くなる?

芋掘りしてすぐのさつまいもは、実はまだ本領発揮していません。掘った直後のいもはデンプンが多く、甘さが十分に引き出されていないんです。

そこで大事なのが「干す」というひと手間。

干すことで保存しやすくなるのはもちろん、時間をかけて追熟(熟成)させることで、ほっくり甘いさつまいもに変わっていきます

 

干す理由は「保存性を高めるため」

掘りたてのさつまいもは表面に水分や傷が残っていて、そのまま置いておくとカビや腐敗の原因になります。

そこで数日〜1週間ほど風通しの良い場所で干すことで、表面の水分が飛び、皮がコルクのように乾いて傷口をふさぐんです。これを「キュアリング」と呼び、保存性をぐんと高めてくれる大事な作業になのです。

つまり「干す=甘くするため」だけではなく、冬まで長く保存するための下準備でもあるんですね。

 

甘みが増すのは「追熟(熟成)」による糖化

さつまいもは、掘った後もしばらく呼吸をしています。その間にデンプンの一部が分解されて麦芽糖(マルトース)などの糖分に変わっていくんです。

これがいわゆる「追熟(熟成)」で、さつまいもを甘くする秘密。

特に、15〜20℃くらいの適温で2〜3週間ほど寝かせると、甘みがしっかり引き出されます。

冷蔵庫で保存すると低温障害で甘さが落ちるので、常温・暗くて風通しの良い場所がベストですよ。

 

さつまいもを甘くする「追熟」のポイント

さつまいもは掘った後もしばらく生きていて、呼吸をしながら少しずつ成分を変化させています。

その過程ででんぷんが分解されて糖に変わるのが「追熟」。これこそが、ほっくり甘いさつまいもに変身する秘密なんです。

 

でんぷんが糖に変わる仕組み

さつまいもの甘さには、ショ糖・ブドウ糖・果糖・麦芽糖(マルトース)といった糖が関わっています。

これらは元々さつまいもが蓄えているでんぷんから作られるもの。

特に麦芽糖は、さつまいもを加熱したときに生成される糖で、しっとりとした甘さや、干し芋の表面に出る白い粉(糖の結晶)の正体でもあります。

つまり「追熟で糖が増える」+「加熱でさらに麦芽糖が生まれる」という二段構えで、あの焼き芋の甘さが完成するんですね。

 

追熟に適した温度・湿度(13〜16℃)

追熟には環境も大事です。13〜16℃の温度帯で、湿度は85〜90%程度が理想。

湿度が低すぎると干からび、高すぎるとカビが生えてしまうので、新聞紙で包んで段ボールに入れ、風通しのよい暗所に置くのが家庭ではおすすめです。

冷蔵庫は低温障害を起こすのでNG。

 

追熟期間の目安(2〜3週間)

追熟は最低でも2週間、できれば3週間ほど置くと甘みがぐっと増します。

収穫直後に食べるより、寝かせてから食べた方が「これぞさつまいも!」という甘さに出会えますよ。

長期保存したい場合は、追熟後もそのまま常温保存で2〜3か月は美味しくいただけます。

 

さつまいもは何日くらい干すといい?

掘りたてのさつまいもは、まだ皮が柔らかくて傷みやすい状態。ここでひと手間「干す」ことで余分な水分を飛ばし、保存性がぐっと高まります。

しかも、この工程をちゃんと踏むと追熟もうまく進んで甘みが引き出されるんです。

 

収穫直後に2〜3時間の日干し

収穫直後に2〜3時間の日干し

まずは収穫直後。土がついたままの状態で、晴れた日に2〜3時間ほど天日干しをしてあげましょう。

こうすることで表面の水分が飛び、ちょっとした傷口も乾いてカビに強くなります。

ただし、直射日光に長時間さらしすぎると日焼けしてしまうので注意。

 

その後は日陰で4〜7日が目安

日陰や風通しのよい場所で4〜7日ほど干す

最初に軽く日干ししたら、今度は日陰や風通しのよい場所で4〜7日ほど干すのがベスト。

直射日光を避け、涼しく湿度がこもらない環境に置くことで、皮がしっかり締まり保存に強い状態になります。

家庭なら、軒下やベランダの片隅、風通しの良い納屋などが向いています。

 

雨の日や夜は取り込むのが安心

せっかく干しても、雨に濡れると台無し。夜露でも湿気を吸ってしまうので、夜や雨の日は取り込むのが鉄則です。

段ボールに新聞紙を敷き、軽く覆いをして外に出しておくと、移動もしやすく便利ですよ。

 


👉 この工程を踏んでから追熟に入ると、保存も効くし、甘さも増す「二重のメリット」が得られるんです。

 

さつまいもの保存方法|干した後はどうすればいい?

さつまいもを数日間干したあとは、いよいよ保存モードに入ります。

ここでの扱い方次第で、数週間で食べきるか、それとも数か月先まで美味しく楽しめるかが決まるんです。

 

新聞紙に包む・段ボールで保管

新聞紙に包む・段ボールで保管

干し終わったさつまいもは、1本ずつ新聞紙で包み、段ボール箱に入れて保存するのが基本です。

新聞紙は余分な湿気を吸い取りつつ、適度な通気性を保ってくれる優れもの。段ボールも光を遮って湿気を逃してくれるので、保存容器としてちょうどいいんですね。

置き場所は、直射日光が当たらず風通しのよい涼しい場所

押し入れや床下収納よりも、北向きの部屋や納戸などが安心です。

 

冷蔵庫はNG!低温障害に注意

「野菜だから冷蔵庫へ」と思いがちですが、さつまいもは低温が苦手。

10℃以下に長く置くと低温障害を起こしてしまい、黒ずんだり甘みが落ちたりします。

家庭用の冷蔵庫は5℃前後なのでNGです。

どうしても短期保存で冷やしたい場合も、野菜室よりも常温の方が安全。

寒冷地で冬場に室温が下がりすぎるときは、毛布をかけた段ボールで保温するのもひとつの方法です。

 

保存期間は2〜3か月が目安

条件よく保存できれば、2〜3か月は美味しく食べられるのがさつまいもの強み。

追熟で甘みが増すのは2〜3週間後ですが、それを過ぎてもさらに風味が深まっていきます。

ただし、長期保存中はときどき段ボールを開けて、傷んだ芋がないかチェックするのも大事。

ひとつ傷むと他の芋にまで広がってしまうので、早めに取り除くようにしましょう。

 


👉 干してからこの流れで保存すれば、冬の寒い時期までホクホク甘いさつまいもを楽しめます。

ちょっとした「芋の寝床づくり」だと思って、大事に扱ってあげてくださいね。

 

よくある疑問(FAQ)

さつまいもを掘って干して保存する流れはシンプルそうに見えて、実際にやってみると「これって大丈夫?」と疑問がポツポツ出てくるものです。

ここでは、よくある質問をまとめてスッキリ解決していきましょう。

 

Q1:さつまいもは収穫してすぐに食べてもいい?

もちろん食べられます。ただし、掘りたてのさつまいもはでんぷんが多くて、甘みはまだ控えめなんです。

追熟してあげることで、でんぷんが糖に変わってグッと甘さが増します。

「待てば待つほど美味しくなる」って、ちょっとワクワクしますよね。

 

Q2:干すのを忘れて土付きのまま放置したらどうなる?

これはあまりおすすめできません。土付きのままビニール袋や箱に入れて放置すると、湿気がこもってカビや腐敗の原因になってしまいます。

掘ったら軽く表面を乾かす“ひと手間”を入れるだけで、保存性はグンと上がります。

 

Q3:干し過ぎるとどうなる?

干すのは大事ですが、やりすぎも考えもの。水分が抜けすぎてしまうと、食感がパサパサして美味しさが半減します。

「天気のいい日が続いてラッキー!」と長く干すよりも、4〜7日を目安に切り上げた方がバランスのいい仕上がりになります。

 

Q4:冷凍保存はできる?

生のさつまいもは冷凍に向きません。低温障害を起こして、黒っぽく変色したり味が落ちたりするんです。

ただし「焼き芋」にしてからなら冷凍保存OK!解凍後はスイートポテトやお菓子作りに使うと、違和感なく美味しく食べられますよ。

 

Q5:新聞紙と段ボール、どっちで干す(or保存する)のがいい?

用途で使い分けるのが正解です。

干すときは新聞紙を地面や棚に敷いて、その上に並べるのがベター。泥や湿気を吸ってくれるので安心です。

保存するときは、段ボール箱に入れて、その中で一本ずつ新聞紙に包むのがおすすめ。これなら通気性がよく、長持ちします。

 

まとめ|干すのは「保存準備」、甘くなるのは「追熟」

さつまいもは、掘ってすぐに食べることもできますが、本当に甘さを楽しみたいなら「ひと手間」がおすすめです。

干すのは保存の準備、甘みを引き出すのは追熟の時間。この2つのステップが美味しさを決めます。

  • 掘ったらまず2〜3時間の日干し、その後4〜7日の日陰干しでしっかり乾かす

  • 乾いたら新聞紙や段ボールに包んで常温保存

  • 13〜16℃の環境で2〜3週間追熟させれば甘みがぐっと増す

ちょっと待つだけで、焼き芋やスイートポテトが驚くほど美味しくなります。

「せっかく掘ったんだから、最高の状態で味わいたい」――そんな気持ちに応えてくれるのが、干して追熟させるひと工夫なんです。

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